あまり親しくない友人だった。何かの会で意気投合し、話のついでが、海外旅行へ行こうという事になった。行こうと勢いで返事はしたものの、家人の了承はとってないし、亭主の両親をどういいくるめようかとか、そんなことばかりが頭の中をよぎっていた。それでも、彼女の熱意と気迫に押されて、キャリーバッグの購入から、パスポートの取得まで、彼女の尻押しがなかったら、出発にまではたどりついてなかったろう。さて、フランス 旅行だが、ドゴール空港へつき、ホテルへ直行。勿論ツアーだったのだが、不思議と自由時間の多いツアーで、フランスは二泊して真ん中の一日は全日フリーだった。言葉がわからない。地図は用意していたが、何が何やらわからない間に一日歩き回っていた。ホテルの朝食は、例によって、コーヒーとパンだけ。あまり上等でない上下の服を着て、水を持ち歩いていた。その格好で、パリのシャンゼリゼ通りを行ったり来たり、優雅な散歩を楽しんでいた。友人はどうやら、ブランドの店が目当てだったらしく、私にははじめてきく名前の店に連れて行かれた。有名ブランドの店で友人はバッグを二つ買い、それにつられて、こっちもほしくもないバッグをかってしまった。ただし、私のは彼女とは一桁安い品物で、帰って暫くするとボタンが取れて使えなくなってしまった。とにかく歩いた。お昼に食べた、ホットドッグとスープがこのときの御馳走だったのだから、かわいいもの。凱旋門を遠くで見て、ライラックの花を見上げて、私のパリは終る。